AGAに悩んでいるならとにかく病院で診断を受け、治療してほしい
AGAは30代、40代と年齢の高い男性だけがなるものではない。最近では20代でもAGAに苦しんでいられる人が多いように思う。
AGAや髪の毛の悩みと言うのは、なかなか人に相談しずらいとは思うし、自ら対策できるものではない。なので、AGAで髪の毛が薄くなってきたという人は一人で悩まずに病院に来てほしい。
なかなか髪の毛の悩みで病院に来るというのは恥ずかしいと思うだろうが、病院なら正しいAGA(薄毛)治療を行う事ができる。もちろん100%あなたの髪の毛を元通りに模してあげますよという事はできないが、効果の高いプロペシアやミノキシジル等を処方することができる。
これらの育毛剤は現在、病院で処方される唯一の育毛剤であり、効果がしっかりと実証されている。なので、服用すれば必ずとは言い切れないものの髪の毛を増やすことができるだろう。
なので、まずは病院に来てほしい。
私は名古屋のとある病院に勤務しているが、そこでは毎日多くの患者さんがAGAについて診断を受けに来る。そして、やはり聞いてみると薄毛について悩んでいるが病院に行くのは恥ずかしいという人は多かった。
一人で悩んでいるときに何か対策をしていますか?と尋ねたら意外と多くの人が自分なりに薄毛対策をやっていると回答した。そして予想通り市販の育毛剤を試している人が多かった。もちろん効果らしい効果は全くなかったようだ。
中には何種類も育毛剤を試しているが全く効果がなく、藁にも縋る気持ちで当院に来られたという人もいた。非常に不憫だと思う反面、今のネット社会では仕方がないのかと思う。
ネット上を見れば様々な育毛剤が効果ありとして紹介されている。これはこれで残念ではあるが、それよりも病院で薄毛やAGAを治療する事が可能であることを知らなかったという人が多いのは残念である。
もちろん我々としては、そいった患者さんに治療ができますよという事を知ってもらうために努力しなければいけないが、これがなかなか難しい。
なので、こういったブログでAGAで困っているなら病院に来てくださいと言うほかはない。
ちなみに私が勤めている病院が名古屋地域におけるAGAや薄毛のお勧め病院として色々なサイトで紹介されていた。紹介に恥じないように常に患者さんに全力を尽くしていくので、一人で悩まずに病院に来てほしい。
そもそもAGAとは
これが本ブログの初登校となるが、このページでは男性の多くが悩む男性型脱毛症について説明する。
薄毛についてはいくつかの種類があります。男性型脱毛症や円形脱毛症やびまん性脱毛症などはメジャーだが、他にも脂漏性脱毛症や機械性脱毛症などがある。この脂漏性脱毛症や機械性脱毛症は非常に珍しく、患者さんとして訪れた人はほとんどいなかった。
さて、その中で薄毛男性の90%を占める男性型脱毛症について説明しよう。
男性型脱毛症とは別名AGA(Androgenetic Alopecia)と言うが、Androgeneticは男性ホルモン、Alopeciaは脱毛症を意味する。(これ先は男性型脱毛症をAGAを記す)
その名前の通り、AGAは男性ホルモンであるテストステロンが原因で起こる脱毛症である。
メカニズムとしては、男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素5αリダクターゼが結びつき、ジヒドロテストステロンと言われるホルモンが作られる。
このホルモンは普通のテストステロンと比べると、10倍以上の男性ホルモン機能が高く、ホルモンレセプターと結びつきやすい。
そして、このジヒドロテストステロンがホルモンレセプター(男性ホルモン受容体ともいう)と結びつくとTGF-βと言われる成長を妨げる退行期誘導因子が作られてしまう。
この退行期誘導因子は髪の毛の成長を妨げる有害なサイトカインである。
専門的な用語が多数出てきたため、読者の人には難しく感じるかもしれないが、髪の毛には成長サイクルがあり、
成長期→退行期→休止期→脱毛期・発毛期
な形となっている。そして、この中において一番長い成長期が2~4年ほどある。この成長期が先ほど出てきたTGF-βによって止められ、すぐに退行期に移行させられることによって髪の毛の成長がなくなるのがAGAである。
つまりAGAとは、髪の毛の成長サイクルが狂わされ、成長する期間が極端に短くなることで太い毛に成長しない状態になる。なので、AGAの症状が疑われる患者の多くは、髪の毛が産毛のように細い。
とまあ、これが多くの男性を悩ませている男性型脱毛症AGAの正体と言うかメカニズムである。
プロペシア以外の育毛剤で有効的なのはミノキシジル
AGAに悩む男性において一番効果が高い育毛剤と言えば何かと言えばそれは間違いなくプロペシアだろう。このプロペシアは2010年に日本皮膚科学会のガイドラインとして出された中においても改善効果が特に高いと評価されている。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913421_2.pdf
そして、病院に行けばAGAの薬として処方されるのは必ずプロペシアである。
だが、プロペシア以外にもAGAの改善効果が認められている育毛剤がある。それはミノキシジルと言う有効成分を配合した育毛剤である。ミノキシジルを配合した育毛剤としては、水谷豊がCMを行っているリアップと単純にミノキシジルと言われるものの2種類がある。
ミノキシジルの働きとして
【血流の改善・血管拡張・血管新生】
などがある。これだけでは何の事かわからないと思うが、要するに言うとミノキシジルを服用することで、血管が拡張される。血管が拡張されるとそれだけ多くの血流が流れ、髪の毛を作っている毛乳頭により、栄養がいきわたるようになる。
すると、髪の毛の成長が促進され、ボリュームが増えるという事だ。
ミノキシジルは塗り薬なので、AGAが進行していると思われる部分に塗布して使う。そうする事で、該当する場所のみの髪の毛を増やすことができる。
ちなみにリアップ(日本製)とミノキシジル(海外製)で何が違うのかと言えば、ミノキシジルの濃度である。リアップは1%、ミノキシジル(商品名)は5%となっているが、最近ではリアップも5%のものを出しているので商品としての効果の差はほとんどないと思われる。
ちなみにミノキシジルにはタブレット型のものもあるが、こちらは絶対に使わないようにしてほしい。おそらく病院でも処方されないと思うが、一部の病院や個人輸入では購入することができてしまう。
これは非常に効果が強いもので、実際に髪の毛が生えたと言う人もいるが、髪の毛だけでなく、腕やその他の毛も濃くなってしまう。これは副作用かと言えばそれは曖昧ではあるが、体中の体毛も濃くなってしまう。
しかも、もともとが高血圧の人のための薬であるために、血圧を下げる効果があり、これによるリスクも十分に注意しなければいけない。なので、通常の医師であれば絶対に処方しないこのミノキシジルの服用は絶対に控えてほしい。
女性の人はプロペシアの服用してはいけない
プロペシアの副作用について前回のエントリーでは話をさせていただいたが、今回は女性とプロペシアについて少し書かせてもらう。まずは、結論から言っておこう。
【女性は絶対にプロペシアを服用してはいけない。】
そうなのだ。プロペシアは男性専用のお薬で(正確に言えばAGA専用)女性は絶対に服用してはいけない。特に注意していただきたいのは妊娠中の女性である。妊娠している女性の場合にはプロペシアに触れる事さえ危険である。
なぜこんなにもプロペシアに対して女性は厳しく制限をかけているのかと言えば、胎児への影響が懸念されるからである。
臨床試験において胎児の性器が変形するかもしれないとの報告があり、それによって女性の使用は好ましくないとされた。その原因については現在のところ詳しい報告はされていないが、ジヒドロテストステロンの生成を抑えるためだと考えられる。
ジヒドロテストステロンは男性の髪の毛の成長を止める成長抑制因子を生み出すもので、AGAの男性には天敵であるのだが、決して悪者と言うわけではない。筋肉の生成を促したり、男性としての性を作り出すものでもあるのだ。
だから、このジヒドロテストステロンの生成を妨げてしまうと胎児期において男性としての必要な機能の発達が阻害され、奇形児として生まれる可能性がある。
だから、女性特に妊娠中の女性はその扱いに気を付けてほしい。もちろん旦那さんも注意してほしい。
我々医師が女性に対してプロペシアを処方することはまずない。まずないが、その旦那さんには処方する。なので、それを誤って服用しないように徹底した管理をしてほしいと思う。
もちろんそのようなことが起こらないように処方する場合には、男性側にもしっかりと説明はしているが、それでも100%おこらないとは限らないのでとにかく注意してもらいたい。
注意!プロペシアは副作用も報告されている
前回はプロペシアの作用機序についてさらっと書いたが、実はプロペシアと言うのは完璧な薬ではないという事も説明しなければいけない。どういうことかと言うとプロペシアには強い副作用があるという事だ。
どんな副作用かと言うと、それは男性器の効果を鈍らせてしまうというもの。
具体的に言うと、勃起力の低下と射精するときの精液の量が減ることの2つがある。これは製造元のMSD社も重篤な副作用として挙げている。
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051088.pdf
この副作用と言うのは男性にとってはかなりきついものであろう。なぜなら晩年の男性の多くが抱える悩みを薬によって引き起こしてしまうからである。なので、プロペシアについて詳しく調べている人はその服用をためらう人もいる。
ではどのくらいの人がプロペシアを飲むことによって、そういった副作用を生じるかと言うとだいたい2%~3%くらいだ。この数字が多いか少ないかと言うのは人によるだろうが、実際にこれくらいの割合で副作用が起こってしまう。
なので、プロペシアを服用するときはそういった症状があるという事をしっかりと理解し、そして、定期的に医師の診断を受けてほしい。最近では個人輸入と言って海外から薬を取り寄せる事ができるようになったが、個人の場合にはそういった副作用が出たときに服用を続けるか、それとも注意するかと言うのを判断できない。
また、安易に個人輸入でプロペシアを購入すると、それが偽物だった場合にそれ以外にもどんな恐ろしい副作用があるかわからない。なので、安易に個人輸入でプロペシアを購入しないように。
日本の法律ではプロペシアは医師の診断と処方箋が必要となっている。なので、必ずそれを守るようにしてほしい。
それ以外の副作用としては、肝機能障害やめまいや抑うつ症状などが挙げられるが、これらの症状はどんな薬にも発生する可能性があるものなので、それほど深くは考える必要はない。
プロペシアはAGAの改善効果が非常に高いがこうした副作用も起きるという事をしっかりと認識し、医師の診断の元適正に服用を続ければ、それほど心配することはない。
男性でAGAに悩む人はプロペシアを使うべき
前回のエントリーで育毛剤について少し書かせてもらったが、ならAGAで悩んでいる人にはどんな育毛剤を使っても効果がないのかと言うとそうではない。
育毛剤の中でも厚生労働省が【医薬品】と認めた育毛剤が2種類ある。(最近新たに3つ目の育毛剤が認可されたが)それは有効成分フィナステリドを配合したプロペシアと有効成分ミノキシジルを配合したリアップである。
ちなみにプロペシアは病院でしか処方してもらえない医薬品で、リアップは市販の薬局でも購入することができる。
今回はそんなプロペシアについて少し書かせてもらう。
プロペシアは有効成分フィナステリドの育毛剤であるが、ではフィナステリドとはどのような作用機序を持っているのかと言うと、
【5αリダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンを生成できなくする。】
である。
AGAは男性ホルモンであるジヒドロテストステロンとホルモンレセプターの結合によってTGF-βと言われる成長抑制因子が作られ、それが毛乳頭に対して、髪の毛の成長を止めるように命令することによって起こる。
毛乳頭がそのような命令を受けると、髪の毛の成長を止めてしまい、そこから、すぐに脱毛へとステップを踏んでしまう。だから、髪の毛が細く産毛のまま抜けてしまう。
だから、AGAの人の抜け毛は産毛のように細く、弱弱しいのである。
で、この最初に出てきたジヒドロテストステロンと言うのは、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼと言う還元酵素によって生成される。つまり言うとこの5αリダクターゼの働きを止めてしまうと、ジヒドロテストステロンが生成されないのである。
だからこそプロペシアなのである。プロペシアの作用機序は上でも書いたが5αリダクターゼの働きを止めてしまう事であり、それによって最終的に髪の毛の成長を止めるTBF-βができなくなる。
だからこそAGAの進行が止まる。
勘違いしている人が多いが、プロペシアは髪の毛を増やすための薬ではなく、髪の毛の成長を止める原因をつぶす薬である。だから、逆に言ってしまえばAGA以外の薄毛ではこのプロペシアでは全く効果がない。
なので、AGAではない女性の人が薄毛用に使っても全く効果がない。まあ、もっとも女性はプロペシアは服用することが認められていないが・・・
とまあ、AGAで髪の毛が抜けてしまうという人は、まずはプロペシアを使ってAGAの進行を妨げるという事を考えてほしい。
現在の育毛剤市場について言いたいことがある
30代・40代ともなれば結構多くの人が薄毛(とりわけ男性ならAGA)に悩む人が多いだろう。そして、そんな悩みを持っている人の骨の髄までしゃぶりつくしてやろうとしている育毛剤の開発メーカが日本には多数あるので注意してほしい。
このページではそこらへんについて医師の視点から書いていく。
市販の育毛剤で効果があるものは1つもない
まず、はっきりと言うが市販されている育毛剤の中でAGAに効果的なものはない。断言できるが、それらすべての育毛剤をいくら使おうが絶対にAGAは改善されない。
なぜここまではっきり言えるのかと言うと、その答えは簡単だ。
なぜならその育毛剤の効果がはっきりと証明されていないからである。おそらく市販されている育毛剤のほとんどが医薬部外品とのことだが、医薬部外品指定を受けるのはそれほど難しくない。
単純に有効成分とされているものを入れて、体に大きな副作用が起きない事が認められれば良いだけである。そう、確かに有効成分が入っているのは間違いないが、それが本当に発毛させることができるかと言うのは、開発サイドのメーカでさてわからない。
いやむしろ発毛しないからこそ医薬部外品としての認可を受けるのである。
もし、発毛効果があることを実証し、その再現性が認められれば医薬品認定を厚生労働省から受ける事ができる。そうなれば全国の病院で使用することができるようになる。
そうなれば開発サイドのメーカとしても莫大な利益を得ることができるので、本当に発毛効果がある育毛剤だと思っているならそのような手続きに踏み出すだろう。だが、そうしないのは、髪の毛を生えさせる効果がないからだ。
このような粗悪な育毛剤をいくら使っても絶対に髪の毛は生えてこないし、AGAの進行を抑えることはできない。
無意味な満足度と言う指標
育毛剤の表紙にはよく満足度95%などど満足が高いことを強調しているが、このからくりをご存じだろうか?最近では口コミなどで商品を購入する人が増えてきているが、これを逆手に取り、満足度が高く、レビューも良い育毛剤だと購入者に思わせている。
しかし、それ以外にも理由はある。それは医薬品として厚生労働省の認可を受けていないもの(医薬部外品もこれにあたる)は、その効果があるという事を謳ってはいけないという法律がある。
つまり、これらの育毛剤は発毛効果が高いという事はかけないのだ。これを書いてしまうと法律に触れてしまうので、法律に触れないように満足度と言う形で逃げているのだ。
ちなみに育毛剤としては超が付くほど有名な育毛剤があまりにも誇大広告を売ったために行政から処分を受けたこともある。
こういった事が横行しているので、薄毛に悩んでいるからと言ってむやみやたらに育毛剤を購入しないようにしてほしい。