名古屋の医者がAGAについて説明するブログ

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植毛手術はありか?なしか

今まで当ブログでは、AGA治療の基本はプロペシアであることを書いてきたが、日本皮膚科学会ガイドラインでは、自毛植毛手術もAGA治療について効果が高いとしている。

自毛植毛手術は、これまで説明してきたAGA治療とは全く性質の異なるものではあるが、AGAで悩む人にとって選択の1つではあると思うので、このエントリーでは自毛植毛手術について書いていきたいと思う。

まず、自毛植毛手術と言う言葉はご存じだろうか?

自毛植毛手術、その名の通り自分の髪の毛を移植する手術の事である。これだけでは説明不足なので、もう少し詳しく説明する。

自毛植毛手術と言うのは、自分の後頭部にある毛根を採取し、それを自分が髪の毛を生やしたい場所に移植する手術である。毛根ごと移植させるので、移植後に今まで通りに髪の毛が生えるのが特徴である。

また、定着率(移植した毛根のうち、どれだけ髪の毛が生えてくるか)も90%を超えているので、手術をすればしっかりと髪の毛が生えてくるのは間違いないだろう。

他のAGA治療と言うのはそれなりに治療効果はあるものの自毛植毛手術のような高確率で髪の毛を生えさえることができない。なので、こと髪の毛が生えてくる確率だけを考えるなら、自毛植毛手術の一人勝ちだろう。

だが、しかし、自毛植毛手術には大きなデメリットが3つある。

まずは、その価格が他の治療法に比べて桁違いに高い事。特にランニングコストと言う点ではかからないのだが、イニシャルコストが百万単位である。

そして、もう一つが術後に傷跡が残ってしまう事である。最近では傷跡が残りにくくする方法も考えられているが、それでも縫合がある以上完全になくすことはできない。子の傷跡と言うのは、手術ばれの可能性につながるのでそれを嫌がる人はできない。

最後に手術後数日は傷が止まらずにまともな日常生活が送れない事である。一般のサラリーマンであれば当然平日は仕事をしているだろうが、手術をすると1週間は頭皮をかくさなければならない。

これも手術ばれにつながることなので、絶対に避けたい人は多いだろうが、普通の人はまとまった休みを取ることは不可能である。

なので、自毛植毛手術はこのメリットとデメリットを比較し、メリットが上回れば手術をうけ、逆にデメリットが上回れば手術を受けないとするしかない。

私としては、他のAGA治療を受けてどうしてもダメだった場合の選択肢の一つとして考えた方がよいと思う。