名古屋の医者がAGAについて説明するブログ

名古屋に住む現役の医師がAGAに関することについて説明する

そもそもAGAとは

これが本ブログの初登校となるが、このページでは男性の多くが悩む男性型脱毛症について説明する。

薄毛についてはいくつかの種類があります。男性型脱毛症や円形脱毛症やびまん性脱毛症などはメジャーだが、他にも脂漏性脱毛症や機械性脱毛症などがある。この脂漏性脱毛症や機械性脱毛症は非常に珍しく、患者さんとして訪れた人はほとんどいなかった。

さて、その中で薄毛男性の90%を占める男性型脱毛症について説明しよう。

男性型脱毛症とは別名AGA(Androgenetic Alopecia)と言うが、Androgeneticは男性ホルモン、Alopeciaは脱毛症を意味する。(これ先は男性型脱毛症をAGAを記す)

その名前の通り、AGAは男性ホルモンであるテストステロンが原因で起こる脱毛症である。

メカニズムとしては、男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素5αリダクターゼが結びつき、ジヒドロテストステロンと言われるホルモンが作られる。

このホルモンは普通のテストステロンと比べると、10倍以上の男性ホルモン機能が高く、ホルモンレセプターと結びつきやすい。

そして、このジヒドロテストステロンがホルモンレセプター(男性ホルモン受容体ともいう)と結びつくとTGF-βと言われる成長を妨げる退行期誘導因子が作られてしまう。

この退行期誘導因子は髪の毛の成長を妨げる有害なサイトカインである。

専門的な用語が多数出てきたため、読者の人には難しく感じるかもしれないが、髪の毛には成長サイクルがあり、

         成長期→退行期→休止期→脱毛期・発毛期

な形となっている。そして、この中において一番長い成長期が2~4年ほどある。この成長期が先ほど出てきたTGF-βによって止められ、すぐに退行期に移行させられることによって髪の毛の成長がなくなるのがAGAである。

つまりAGAとは、髪の毛の成長サイクルが狂わされ、成長する期間が極端に短くなることで太い毛に成長しない状態になる。なので、AGAの症状が疑われる患者の多くは、髪の毛が産毛のように細い。

とまあ、これが多くの男性を悩ませている男性型脱毛症AGAの正体と言うかメカニズムである。