名古屋の医者がAGAについて説明するブログ

名古屋に住む現役の医師がAGAに関することについて説明する

このブログも書き始めてから1年が経ちました

ついにこのブログも立ち上げてから1年が経過しようとしています。

もともとこのブログを立ち上げたのは私が持っているAGAに関する情報を皆さんに知っていただき、しっかりと治療を受けてもらいたいとの思いで書いていました。なかなか本業の忙しさから月に1回程度の更新しかできませんでしたが、それでも一生懸命書いてきたつもりです。

それとブログを書いてみて、文章を書くのは意外と難しいという事もわかりました。学生時代や医者になってから勉強だけはかなりやっていましたが、こういったブログで文章を書くのはそれとは違った意味で難しかったと思います。

これからも暇さえあればブログを更新していくので、よろしくお願いします。

植毛手術はありか?なしか

今まで当ブログでは、AGA治療の基本はプロペシアであることを書いてきたが、日本皮膚科学会ガイドラインでは、自毛植毛手術もAGA治療について効果が高いとしている。

自毛植毛手術は、これまで説明してきたAGA治療とは全く性質の異なるものではあるが、AGAで悩む人にとって選択の1つではあると思うので、このエントリーでは自毛植毛手術について書いていきたいと思う。

まず、自毛植毛手術と言う言葉はご存じだろうか?

自毛植毛手術、その名の通り自分の髪の毛を移植する手術の事である。これだけでは説明不足なので、もう少し詳しく説明する。

自毛植毛手術と言うのは、自分の後頭部にある毛根を採取し、それを自分が髪の毛を生やしたい場所に移植する手術である。毛根ごと移植させるので、移植後に今まで通りに髪の毛が生えるのが特徴である。

また、定着率(移植した毛根のうち、どれだけ髪の毛が生えてくるか)も90%を超えているので、手術をすればしっかりと髪の毛が生えてくるのは間違いないだろう。

他のAGA治療と言うのはそれなりに治療効果はあるものの自毛植毛手術のような高確率で髪の毛を生えさえることができない。なので、こと髪の毛が生えてくる確率だけを考えるなら、自毛植毛手術の一人勝ちだろう。

だが、しかし、自毛植毛手術には大きなデメリットが3つある。

まずは、その価格が他の治療法に比べて桁違いに高い事。特にランニングコストと言う点ではかからないのだが、イニシャルコストが百万単位である。

そして、もう一つが術後に傷跡が残ってしまう事である。最近では傷跡が残りにくくする方法も考えられているが、それでも縫合がある以上完全になくすことはできない。子の傷跡と言うのは、手術ばれの可能性につながるのでそれを嫌がる人はできない。

最後に手術後数日は傷が止まらずにまともな日常生活が送れない事である。一般のサラリーマンであれば当然平日は仕事をしているだろうが、手術をすると1週間は頭皮をかくさなければならない。

これも手術ばれにつながることなので、絶対に避けたい人は多いだろうが、普通の人はまとまった休みを取ることは不可能である。

なので、自毛植毛手術はこのメリットとデメリットを比較し、メリットが上回れば手術をうけ、逆にデメリットが上回れば手術を受けないとするしかない。

私としては、他のAGA治療を受けてどうしてもダメだった場合の選択肢の一つとして考えた方がよいと思う。

今日1年間AGA治療を頑張った患者が治療の結果に満足していた

今回のエントリーは自分の担当している患者さんとの話について少し書いていきたいと思う。もちろん患者さんのプライバシーの事もあるので、詳細なことについてはかけないが、ものすごく嬉しい事だったので、今ウキウキしながらキーボードを打っている。

さて、その患者さんは今から1年ほど前に当院に来られた患者さんで、O字タイプの薄毛であった。しかもかなり進行しており、正直言うとどこまで改善するかわからなかった。

当人に薄毛を気にしだしてどれくらいたつのかと聞いたら、1年間ぐらいたつとの回答だった。その期間の間は市販されている育毛剤を試していたらしい。でも全くと言っていいほど髪の毛が生えてこずに途方に暮れていたとのこと。

そして、奥さんの勧めでこちらの病院に来られたとのことだった。

AGAであることはすぐにわかったので、プロペシアミノキシジルの提案をしたら、両方処方してほしいとのことだったので、両方処方する事にした。治療薬の効果がどれくらいあるかを正確に判断するために治療前の頭部の写真をとった。

それから2か月後に再度来院されていたが、まだ効果は表れておらず表情が硬かった。私も最初の説明の時にプロペシアの効果が出るのは早くても3か月後で、通常半年はかかると言っていたので特に何も言われなかった。

そして、さらに2か月が過ぎた時に来院された。そのときは依然とは少し違いほんの少しであるが産毛らしきものが生え始めていた。もちろん部分的であるものの今まで全く生えていなかった場所に生えていた。

患者さんもそれについて自覚があるようで、ちょっと「生えてきました」と嬉しそうに話していた。そして、それからもひたすらプロペシアによる治療によってついに10か月ごろには髪の毛の密度が50%ぐらいまで戻っていた。

もちろん彼の顔は昔のように重い表情ではなく、笑顔で自信に満ち溢れていた。髪の毛があるだけで、人の表情はこんなにも変わるんだと、そして、髪の毛があるという自信が表情になって現れるんだとあらためて気づかされた。

そして、治療を開始してから1年がたち、髪の毛はかなり生えてきていた。もちろん彼は満足そうにこんな感じですと頭を見せてくる。これで一応治療としては終わりだが、彼はとりあえずしばらくはプロペシアを飲み続けるらしい。

とりあえず彼に一言!途中で挫折せずによく治療を1年間も続けた。これからの人生も頑張ってくれ。

 

発毛メソセラピーについて少し説明

AGA治療の基本はプロペシアミノキシジルのダブル育毛剤である。これが現時点において一番有効であると私は考えている。

では、それ以外にもAGAを治療する方法はないのかと言えば実はそうではない。他にも近年注目されている治療法として、発毛メソセラピーと言うものがある。今回のエントリーではその発毛メソセラピーについて書かせてもらう。

発毛メソセラピーとは何かといえば、注射針などを使って頭皮に直接有効成分を注入する治療法である。リアップなどで頭皮に塗るタイプの育毛剤があるが、頭皮の外から塗るよりも、頭皮内に直接注入した方が効果が高いのではないかと言う考えから生まれたものである。

ちなみに有効成分としては、髪の毛の成長を促す成長因子、ミノキシジル、ミネラル、ビタミンなどがよく使われる。これらをうまく毛根に浸透させることができれば、理論上はしっかりと髪の毛が生えてくるようになるだろう。

ただし、この発毛メソセラピーの治療に関しては、費用がかなり高いという事をお伝えしなければいけない。

だいたい相場は1回の注射で4万円~8万円くらいである。そして、この発毛メソセラピーをどれくらいのペースで行うのかと言えば、一番良いのは2週間に1回であるが、そうすると月に10万円以上かかってしまうので、1か月に1回を目安となる。

もちろんこれでも十分に高い。普通のプロペシア治療が7000円~10000円くらいなので、その4倍~8倍という事になる。しかも、この発毛メソセラピーは単独で行うというよりもプロペシアとの併用が普通なので、そうなるとプロペシアの費用も追加される。

私としてはここまで高い治療費を払うのは正直プロペシアの効果を見てからでも遅くないと思う。プロペシアでしっかりと効果がでれば発毛メソセラピーに頼る必要はないだろうし、逆にそれでも思った以上に効果が出ないのであればこの発毛メソセラピーを試す価値は十分にある。

 

 

デュタステリドは実は昔から注目されていた

前のエントリーでは新薬であるザガーロについて詳しく説明したが、実はこのザガーロの有効成分であるデュタステリドは前々から存在していた。

以前はデュタステリド配合の育毛剤と言えばアボダートであった。このアボダートはAGAの薬として認証されているものではなく、前立腺肥大症の薬として使われていた。なので、直接的にはAGAのための薬として病院から処方されることはなかったが、AGA患者の中ではプロペシアよりもアボダートの方が効果があったと評判だった。

中にはHPでAGA治療薬としてアボダートを取り扱っていると紹介している病院もあったが、これは、AGA治療薬として認証が取れていなかった時の対応としてはあまり褒められたものではないが。

とまあ、そういう事もあり、このデュタステリド配合の育毛剤ザガーロはAGAに悩んでいる人に希望を与えるものであることは間違いなさそうだ。

だが、ザガーロにもプロペシアと同じように副作用があることも覚えておいてほしい。

副作用の内容としては、プロペシアとほとんど同じで性欲の減退や精子の量の減少など男性としては絶対に避けたいものである。その割合もおそらくではあるが、プロペシアよりも少し多いのではないかと考えられる。

直接の比較と言うものは安易にはできないが、薬の作用が強い方がそれに伴う副作用も大きい。なので、おそらくザガーロの方がプロペシアよりも副作用になる人の割合が高そうだ。

それを踏まえたうえでプロペシアにするか、ザガーロにするかを考えてほしい。一応私が診断する場合には、最初はプロペシアを処方し、それよりも高い効果を得たいという人にはザガーロを出すというやり方をしている。

もちろん病院によっては、ザガーロしか扱っていないところ、逆にプロペシアしか扱っていない病院と色々あるとは思うので、一様には言えないが。

ちなみにザガーロとプロペシアは同じ作用機序なので併用しても効果は変わらない。なので、ザガーロを服用するならプロペシアの服用はやめ、逆にプロペシアを使うと考えているならザガーロは使わないでほしい。使ってもより良い効果は期待できない。

どちらにしろこのザガーロの認証はAGAに悩んでいる人に希望を与えてくれるであろう。

 

 

 

新薬ザガーロの効果はプロペシア以上なのか

AGA治療において厚生労働省が医薬品の認定をしているのは、プロペシアミノキシジルの2種類だけである。いや、正確に言うと2016年に3つ目の有効成分としてデュタステリドと言うものが承認された。

そして、各病院においても新薬としてデュタステリド配合の育毛剤ザガーロが取り扱われるようにあった。もちろん、プロペシアを置いている病院すべてではないが、ある程度AGA治療に力を入れている病院ならこのザガーロを置いているだろう。

今回のエントリーではこの新薬ザガーロについて説明する。

ザガーロはGSK(グラクソ・スミスクライン株式会社)社によって開発された育毛剤分であり、AGA治療の効果が高いことが証明された第三の育毛剤である。

ザガーロ|HealthGSK.jp

その作用機序はプロペシアのフィナステリドと似ており、5αリダクターゼの働きを抑えるものである。

以前にも説明したが、AGAは5αリダクターゼとテストステロンによって生成される強力な男性ホルモン【ジヒドロテストステロン】が原因で薄毛化する。なので、その原因の1つである5αリダクターゼの働きを抑えてしまえば必然的にAGAの進行は止まる。

ただ、フィナステリドと違うのが1つある。

前のエントリーでは述べていなかったのだが、5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類がある。そして、フィナステリドは主にこの5αリダクターゼのⅡ型のみに作用する成分なのである。

ここまで書くと察しの良い人ならわかると思うが、それに対してデュタステリドはⅠ型、Ⅱ型両方に作用する薬である。なので、Ⅰ型が原因でAGAが進行していた人にも効果がある。

という事は、つまりデュタステリドの方がフィナステリドよりも効果の範囲が広いことがわかる。なので、おそらくではあるが、このデュタステリドの方がフィナステリドよりも効果が高いと言えるだろう。

実は、少し前まではAGAに影響を及ぼす還元酵素は5αリダクターゼのⅡ型だけと考えられていた。なので、Ⅱ型だけに影響を及ぼすフィナステリドでも十分な効果があるという事が言われていた。

だが、最近では実は5αリダクターゼⅠ型も実はAGAに影響を及ぼしていると言う見方になりはじめた。そして、グラクソ・スミスクライン株式会社が様々な臨床試験を行い、AGA治療効果において高い再現性をとれた事もあり、厚生労働省も新薬としてザガーロを認めたのである。

なので、もし、プロペシアでも思ったような効果があげられないというならば一度このザガーロを試してみてはいかがだろうか?

名古屋でAGA治療の効果が1番高い病院・・・・それは判断しようがない

私は名古屋のとある病院に勤めている勤務医であるが、前のエントリーで自分の勤めている病院が紹介されて嬉しく思い、ついリンクを貼ってしまった。

こちらのページは名古屋にあるお勧めの病院を紹介しているブログだと思われる。こちらのブログでは名古屋だけでなく、栄についても病院を紹介してあった。

では、そもそも病院によってAGAの治療効果が大きく違うのかについて説明しよう。

まずはっきり言うと、オーソドックスなAGA治療においては病院によって大きな差はない。基本的にはプロペシアの処方が基本だろう。プロペシアはどこの病院で処方されても効果は同じである。

なので、そのようなオーソドックスな治療においては、残念ながら私の病院が一番良い治療効果があるとは言えず、どこの病院で治療をしても同じ結果となる。もちろん担当する医師によって多少の知識の差はあるだろうが、プロペシアを飲む上ではそれほど影響するものではない。

また、病院によっては、プロペシアミノキシジルを処方する治療以外にも、発毛メソセラピーやHARG療法、レーザー治療など他の治療を行う事ができる。

これらの治療については、プロペシアの服用と合わせることで、プロペシア単発よりも効果が出るとは思う。なので、それら治療を行っている病院の方が治療としての選択肢の幅が出ることは間違いない。

治療の幅が広がれば、AGAが改善する可能性は当然高くなるが、それでも名古屋地域においてどこの病院が一番効果的なAGA治療ができるかと言えば、それは比較のしようがないというのが私の答えである。

医師として当然一番良い病院を目指すというのが理想ではあるが、現実としては治療効果にそれほど大きな差はない。なので、どこの病院に行くかで迷うのではなく、AGAの疑いがあると思ったら、すぐにでも病院に行き、先生の診断を受けてほしい。

名古屋地域にある病院はみなしっかりと患者さんにとって一番良い治療を選択し、そして、患者さんが満足する結果が出るように頑張っていると思うので、患者さんも安心して病院に来てほしい。